2017年12月21日

はじめまして。ブロードバンドタワーの中南です。私はブロードバンドタワーでDELL EMC IsilonやScality RINGのテクニカルサポートを担当しています。

初投稿となる本記事では、DELL EMC Isilonの新しい機能であるCloudPoolsについて、私達サポートが経験した本機能を使用する上での注意事項や運用のコツを紹介します。

はじめに – CloudPoolsとは

 

CloudPoolsはIsilonまたはIsilon以外のクラウドストレージをIsilonクラスタの追加ストレージ層として統合/拡張させる機能です。

CloudPoolsは各種タイムスタンプやファイルの拡張子等管理者が事前に定義したポリシーベースで自動階層化を行い、対象データを物理のIsilonクラスタから経済性に優れたクラウドストレージの階層(CloudPool)へシームレスに移動することができます。これにより、クライアント側の運用や使用感を一切変更すること無く、Isilonのストレージリソースを最適化することができます。

以前まではパフォーマンス、データ保護、ストレージ密度の異なる階層化を従来のIsilonで実現するためには、同じIsilonで構築する必要がありました。これに対しCloudPoolsでは、Amazon S3やMicrosoft Azure BLOB Storage等の一般的なパブリッククラウドサービスを新たな階層としてIsilonクラスタへ新規階層として追加することができます。

#CloudPools機能まとめ
  1. Isilonをクラウドゲートウェイとして動作させ、パブリックまたはプライベートクラウドのストレージへデータをアーカイブ可能
  2. アクティブデータ以外のデータ(コールド、フローズン)をクラウドストレージに保管し、データの利用頻度に応じてストレージコストを最適化
  3. CloudPoolsサポートストレージ(2017/12, OneFS 8.0.0.5現在)
    – DELL EMC Isilon,  DELL EMC ECS(Elastic Cloud Storage),  VirtuStream,  Amazon S3,  Microsoft Azure BLOB Storage

参考過去記事 – EMC ISILON OneFSv8.0.0 新機能紹介!


CloudPools運用上の注意事項

BBTowerのIsilonサポートが経験したCloudPoolsに関する運用上の注意事項やコツをいくつかの導入実績をもとにご紹介します。

1.atimeの更新間隔(atime grace period)に注意

CloudPools導入当初におこなう大量の既存データのクラウドへの移行作業中はatime(アクセスタイム)の更新間隔について注意を払う必要があります。

○ CloudPoolsはファイルのatimeを元にアーカイブの成否をチェックする

CloudPoolsは、オンプレミスからクラウドへのファイルのアーカイブを完了させた後、アーカイブ前後の対象ファイルのatime(アクセスタイム)をチェックしアーカイブタスクの整合性をチェックしています。

そのため、CloudPoolsによるファイルのアーカイブ中に転送対象ファイルへファイルアクセスが行われatimeが更新された場合、当該ファイルのアーカイブは失敗してしまいます。

ファイルのアーカイブが失敗するとIsilonはアーカイブが成功するまでリトライを繰り返し、atimeの更新が頻繁に行われる環境の場合いつまで経ってもタスクが完了しない事態に陥ってしまうケースがあります。

○ atimeの更新間隔機能(atime grace period)を利用する

Isilonはファイルのatimeの更新タイミングを「atime grace period」と呼ばれる機能でコントロールすることができます。
クラウドへ移行したいファイルの数やサイズから適切なatime grace periodへ値を調整することでアーカイブタスクの失敗を最小限に抑えることができます。
適切なatime grace periodのチューニングはBBTower Isilonサポートからご案内いたします。

2.CloudPoolsのトラフィック制御はスイッチ側で

CloudPoolsのデータアーカイブは利用できるネットワーク帯域をフルに使用して通信する仕様であるため、Isilonとクラウド間のネットワークをSMB/NFSクライアントも利用するような環境であると、場合によっては帯域の不足からIsilonクラスタへのクライアントアクセスに遅延などの影響を与えることがあります。

このためIsilonからクラウドへデータをアーカイブする際のネットワークトラフィックは適切にコントロールすることが推奨されますが、残念ながら現在のリリースバージョンではIsilon側でこれを制御することができません。経路上のネットワーク機器でシェーピングなどの適切なトラフィック制御を検討する必要があります。

3.ファイルシステム分析ツール「InsightIQ」の活用

CloudPoolsの導入や導入後の管理に役立つツールとして「InsightIQ」をご紹介いたします。

InsightIQはIsilonクラスタのパフォーマンス監視/レポート作成、またファイルシステムの分析を行うことができる、DELL EMCが提供するIsilon専用ツールです。このInsightIQを活用することでCloudPoolsの特性を最大限に利用することができます。

○  アーカイブポリシー作成の判断材料として(ファイルシステム分析)

IsightIQが提供するファイルシステム分析では、Isilonクラスタ内にどのようなファイルがどこにどの程度保存されているかを様々な可視化が可能です。コールドデータやフローズンデータの判断基準となるatimeやmtimeの条件指定など、ユーザ側で複雑な分析をすることなく目的に応じたレポートを容易に取得することができます。

CloudPoolsのアーカイブポリシーをこの分析結果を元に作成することで、シンプルで効率的なストレージリソースの最適化が実現できます。

○ ネットワークトラフィックの可視化に

InsightIQはIsilonクラスタとクラウドストレージ間のネットワークトラフィックを可視化することができます。ネットワークトラフィックをノード毎に表示させたり、特定のプロトコルのみに限定して集計することができ、CloudPoolsによるデータのアーカイブ中どの程度のトラフィックが発生するかを容易に確認することができます。


最後に

今回は弊社導入実績から経験したCloudPoolsの注意事項をいくつか紹介させていただきました。CloudPoolsはうまく使えばとても大きなメリットを生み出します。

BBTowerは豊富な導入実績から、検討から導入、その後の保守までお客様をサポートいたします。より詳細なCloudPoolsに関する説明を希望されるお客様は弊社営業までご連絡ください。

本ブログの情報につきましては、自社の検証に基づいた結果からの情報提供であり、
品質保証を目的としたものではございません。

投稿者: Minami

ブロードバンドタワーでストレージエンジニアとしてお仕事しています。