2016年12月8日

岩本です。 当ブログ二度目の投稿になります。

今回私岩本が取り上げるのは、10月25日-29日にバルセロナで開催されたOpenStack Summitの参加レポートを書かせていただきます。

OpenStack自体の説明に関しての説明は今更ではありますが、これまで当ブログで取り上げられていないので少し説明します。OpenStackは、アメリカ航空宇宙局NASAとクラウド事業者Rackspaceによって開発が始まったクラウド基盤のソフトウェアのことです。クラウドコンピューティングの基盤で用いられる、ネットワーク・ストレージ・ハイパーバイザ・コンテナ等のあらゆる機能をコントロールするためのAPIの集合体と説明するとわかりやすいでしょうか。 現在OpenStackは、オープンソースプロジェクトのプロジェクトとして全世界でコードコミットのあるデファクトスタンダードなCloud基盤ソフトウェアです。 そして今回参加したOpenStack SummitですがOpenStackの開発者やユーザが集まりOpenStackに関する議論を行うための大きいイベントだと思っていただければ良いと思います。
今回のSummitでは、OpenStack Foundationの公開情報によると50以上の国から約6000人参加していたようです。

セッション
OpenStack Summitでは、朝一番にKeynoteセッションが設けられています。 こちらは、ユーザのユースケースや新機能のお披露目等、その時のSummitで一番ホットな情報が聞けるセッションです。
まずOpenStack FoundationのChief Operating OfficerであるMark Collierの公演では、今回のSummitが初参加の人が非常に多いという話がありました。ヨーロッパでの開催は、2年ぶりという事も理由としてあるのかもしれません。
img_0531

また今回大きな発表としては、OpenStackのロゴが変わりました。斜めに傾いているロゴがフラットデザインに変更になりました。。
img_1434

Jonathan Bryceによる公演では、主にマルチクラウドに関して話されていました。 そのなかで非常に印象的だったのがInterop Challengeです。 OpenStack自体は、OSSで提供されていますが各ベンダーで独自にソースコードをフォークしてOpenStackを提供しています。 そのため同じこと自動化スクリプトを流しても同じように構築できない事もあるでしょう。 そのため相互接続に問題点が無い事を示すために各ベンダーのOpenStack環境で同じAnsibleスクリプトでロードバランサにデータベース・ボリューム・セキュリティグループを追加するデモを行っていました。
img_0562

またとても印象的だったOPNFVのデモが面白いと感じました。OPNFV(Open Platform for NFV)は、オープンソースのNFVプラットフォームの開発プロジェクトです。 今回はOPNFVのDoctorと呼ばれる機能に関するデモがありました。 4Gネットワークを用いて別の場所にいる人と電話をしている最中にMarkがケーブルを枝切りバサミケーブルを切断します。 処理をしているVMが冗長系のネットワークに切り替え音声が途切れることなくサービスを提供し続けるデモを行っていました。 こういった、あえて大きなハサミで切って派手に演出を見せるのが欧米スタイルですね。
img_1429

マーケットプレイス
OpenStack Summitでは、公演会場と別にマーケットプレイスと呼ばれるOpenStackに関わる商品紹介ブースがあります。 例年通り今回も開催されていましたが、前回のオースチンと比較すると規模が少し小さかったと感じました。 その中で面白かった製品を少しご紹介します。

6WIND
6WINDは、ネットワーク高速化のためのソフトウェアアプライアンスを作っている会社です。 特にネットワークの業界では、仮想化に関する技術が進みオペレーティングシステムだけでなくネットワークの機能を仮想的に構築するNFV(Network Function Virtualization)といった技術が流行っており、OpenStack界隈でもOPNFVといったNFV用のプラットフォームに注目しています。 そういった流れもありVNF(Virtual Network Function)をより高速に構築するためのソフトウェアの開発も進んでいます。 その一つとして6WINDの”Virtual Accelerator”をハイパーバイザ上に展開する事によってLinuxのネットワークスタックのボトルネックを解消することができます。 内部ではIntel-DPDKを用いる事で高速化を行っており、標準的なLinuxで用いられるコマンド(tcpdump,iptables等)にも対応しています。 また処理能力の比較としてLinux OVS(OpenvSwitch)との比較を出していました。

セッション
OpenStack Summitでは、一日に数十回のユースケースに関する講演があります。実際に各社がどのようにOpenStackを使っているのか、またどこまでの機能を構築できるのか非常に役に立つ情報が多いです。

OpenStack academy
今回OpenStack Summit Barcelonaでは「OpenStack academy」というOpenStackのトレーニング用イベントも開催されていました。 これは、OpenStackの初心者やこれからコミッターになりたいと思っているエンジニアのためのハンズオンを丁寧にやっていただけるイベントです。 私は、”Learn to Debug OpenStack Code – a Hands-on with the Python Debugger and PyCharm.”という題目のセッションに参加してきました。USBデータで配布されたバグを埋めこまれたDevstack(OpenStackを実験的に使うためのデプロイツール)がインストールされたVMを起動し、実際にデバッグを行っていく。懇切丁寧に教えていただき非常に勉強になりました。
img_1506

コンテナマイグレーション
IBMのエンジニアが登壇されていたLive Container Migrationというセッションは、個人的に面白かったと思いました。 コンテナは、OS上のプロセスとして動いているため機能をマイグレーションする際には、ハイパーバイザとは異なります。 そのためCRIU(Checkpoint Restore In Userspace)というプロジェクトでLinux Kernel内部でコンテナを保存・再起動の機能を開発しています。 今回のデモでは、この機能を用いて別ホストにビデオストリーミング配信のコンテナのマイグレーションを行っていました。img_0534

おわりに
Cloud界隈は非常に勢いがあり全世界で開発が進んでいると言うこともあり開発ペースが非常に早いです。 こういったソフトウェア開発の時代の流れに遅れないように常に新しい技術を追っていかないといけないと感じました。

本ブログの情報につきましては、自社の検証に基づいた結果からの情報提供であり、
品質保証を目的としたものではございません。